【キャリアインカレ】JAL(日本航空)インタビュー

【キャリアインカレ】JAL(日本航空)インタビュー

“SDGs”という新しい概念に対して今、多くの企業が注目をしています。未来を担う学生たちに、今、なぜ日本航空(JAL)がSDGsの在り様を問うのか? その理由などをテーマ立案者の一人である松尾さんにお伺いしました。

■お話をしてくれた方
松尾知子さん
ブランドコミュニケーション・東京2020オリンピックパラリンピック推進部ブランド・コミュニケーション企画グループ
2009年入社。国際教養学部国際教養学科卒業。JALとお客様の接点を強化するべく、ブランド向上に関する取り組みに携わっている。本文中で紹介した『10万着で飛ばそう! JALバイオジェット燃料フライト』は担当プロジェクトでもある。以前はJALの運航乗務員の安全管理にかかわる仕事を行っていた。

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学生の視点でSDGsという新たな価値観について考えてほしい。


――日本航空(JAL)がなぜテーマに「SDGs」を選んだのか、まずはそこから教えてください。

松尾さん:「SDGs」とは「国連が定める持続可能な開発目標」のことです。2015年9月の国連サミットで採択され、誰一人取り残さない持続可能な世界を実現するために、国際社会共通の17のゴールが設定されました。この17のゴールには“貧困をなくす”“ジェンダー平等”“経済成長”“技術革新”など、さまざまなテーマが盛り込まれています。
企業の社会的責任への取り組みの一つとしてSDGsに注目が集まりはじめたころ、当社でも経営にSDGsを取り込むことへの取り組みが始まりました。
JALとしてもいままだ何ができるのかを探り続けている最中ではあるのですが、SDGsの機運が高まっている今だからこそ、学生のみなさんの視点でも新たな可能性を開拓してほしいと考えてテーマを選出しました。

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――具体的にJALの「SDGs」関連の取り組みには、どのようなものがあるのでしょうか?

松尾さん:運輸業を営むJALでは多くの飛行機を運航していますが、飛行機はどうしてもCO2を大幅に排出してしまう乗り物ですので、まず「環境」への貢献に注力しています。例えば、A350型機などの省燃費機材の導入やCO2削減に効果的なバイオジェット燃料の採用促進に取り組んでいます。
現在、「10万着で飛ばそう!JALバイオジェット燃料フライト」プロジェクトを展開しており、衣料品の綿からバイオジェット燃料を製造し、2020年中にその燃料を使用したチャーターフライトの運航を目指しています。

――環境以外でもさまざまな活動を行っていますね。

松尾さん:各地と世界を繋ぐ航空会社として、地域活性化も注力しているテーマの一つです。『新JAPANPROJECT』では観光振興や地域産業支援などを展開おり、地域の銘品などを機内食やラウンジで提供しています。
また来年は新しい制服を導入しますが、生地の調達先はSDGsの基準に沿っているかどうかを確認しながら行っています。

真の意味でSDGsを事業に組み込むために。


――既にJALではSDGsに関する多彩な取り組みを展開しているようですが、課題があるそうですね。

松尾さん:機内誌やプレスリリースなどを通してSDGsの発信は積極的に行っていますが、SDGsを安定的に取り入れるところまでには至っていないのが現状です。
JALでは長期目標“グランドデザイン”において「SDGsを始めとする社会の課題解決への貢献」を具体的な目標として定めており、中期経営計画でも「2030年にはSDGs達成に向け、事業を通じて社会の課題解決に取り組みます」との一文を加えています。今後、すべての事業の根幹にSDGsを据えていこうともしています。

――難しいテーマですが、学生にあえてこのテーマを募るのは何故でしょうか?

松尾さん:SDGsはよく「社会貢献活動」と思われがちですが、実はそれだけではありません。社会課題とニーズを切り口にすることで、それが新たな事業に繋がると考えられており、SDGsはビジネスチャンスです。さらには一人一人がSDGsのことを考えることが求められています。そのため、学生のみなさんが普段感じている身近な社会課題でもSDGsの達成に貢献します。SDGsはさまざまな団体や企業の垣根を越えて問題解決ができるのですから、ぜひ学生にも積極的な解決策を期待したいと思いました。

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――SDGsを考えていく上での注意点はございますか?

松尾さん:SDGsは非常に壮大な課題に注目が行きやすいかもしれません。しかし、SDGsは17の目標また169個のターゲットで構成されていますので、ターゲットを確認することでより課題を具体化かつジブンゴト化できると思います。例えば、学生のみなさんにとって社会との接点といえば「就職活動」かもしれません。新しい就活の形を考えるのもSDGsにつながるのではないでしょうか。事業機会を拡げ、ビジネスとして成り立つか否かということを多角的に考えていってほしいです。

革新的なサービスの実現が、JALのポリシー。


――テーマに「革新的」との言葉を入れていますが、ここに込めた意味を教えてください。

松尾さん:JALが目指すものは「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」です。
そのためにも、グローバルを対象とした世界のJALとなり、一歩先を行く価値を想像することに「挑戦」しています。JALではこの「挑戦」をとても大事にしており、Webサイト『CHALLENGE JAL』では、JALの革新的なサービスを紹介しています。例えば、最近では空港での活用を想定した遠隔操作ロボット「JET」を開発しました。この技術を活用することで、子育てや介護などにより在宅勤務を行う社員が遠隔で業務を行うことが可能となり、お客さまのサービス品質向上とともに社員の働きやすい環境づくり貢献することができます。このように挑戦し続けるJALの事業を考案していただく上で、“革新的”な企画力が必要不可欠なのです。

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――参加をする学生の皆さんにメッセージをお願い致します。

松尾さん:過去の大会を拝見していているとキャリア甲子園・キャリアインカレともに学生のレベルが非常に高くて驚かされました。
何か一つの目標に向かって、チームが結束していくというのは、学生にとって貴重な体験です。プレゼンでは話術や分析力に基づく論理性と聞き手の感情に訴えかける部分の両方が必要になるだけに難しいことも多いでしょうが、学生生活の最後の思い出の一つを作るために頑張ってください。
JALとして参加するみなさんに求めたいのは、「革新的」な企画力と柔軟な発想力に加え、航空利用だけでなく、日常生活におけるシーンも含めて考えてほしいということです。飛行機や空港の外にも「JAL」があるということを視野に入れながら課題に挑んでください。

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