【キャリアインカレ】ZOZOテクノロジーズインタビュー

【キャリアインカレ】ZOZOテクノロジーズインタビュー

学生にとってもなじみの深いファッション通販サイト『ZOZOTOWN』などの技術面を支えている株式会社ZOZOテクノロジーズ。最先端のIT技術を追いかけている同社では“AI”を中軸に据えたテーマを設定しました。

■お話をしてくれた方
野口 竜司 さん
VP of AI driven business AI・プロジェクト推進部部長兼 アラタナ取締役
IT企業でデータ活用やAI予測などのサービス開発に関して10数年間にわたって従事し、その後ZOZOテクノロジーズにジョイン。現在はAIを活用した企画立案、プロジェクト推進などを担っている。

ZOZOテクノロジーズインカレテーマ
 

AIがファッションの在り様を変えていく。


――今回のテーマを選定した理由を教えてください。

野口さん:ZOZOテクノロジーズが昨年、キャリア甲子園に初参画した際、設定したテーマは「10年後の世界に高校生のファッションの悩みを解決して大流行するようなサービス、ブランドを考えよ」でした。今回はより具体的な手段を用いて未来のファッションについて考えてもらいたいとの想いから、あえて“AI”と“新テクノロジー”というキーワードを盛り込みました。

世の中では様々なイノベーションが巻き起こっています。高校生や大学生よりも上の世代は、インターネットの登場時期に起こった社会の変革を体感してきました。これからの時代を担う新世代のみなさんは、インターネットではなくAIによる社会変革をもっとも間近で感じていくことになるはずです。だからこそ、AIに関してはテーマとして明確に提示させていただきました。

なお、ファッションという言葉には、文化やムーブメントなどの意味合いも含まれていますが、ここでは完全に“洋服”ということで考えてください。

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――御社では現在、AIに注力しているそうですね。

野口さん:弊社はZOZOグループ全体の技術面を担っています。ミッションは「70億人のファッションを技術の力で変えていく」。その実現のために様々なテクノロジーに視野を広げていますが、中でもAIが今後、非常に大きな変化量を作っていくと私は捉えています。最近は新たにAI・プロジェクト推進部を設立し、ZOZOグループが『日本で一番AIを活用している企業』となるのを目標に掲げています。

AIには土台となるデータが必要ですが、幸いにもZOZOTOWNをはじめとするZOZOグループのサービスには、実に多くのユーザーの行動データが蓄積されています。年齢や住んでいる地域など条件が異なる各ユーザーが、どういうファッションを好んでいるのかなどをAIを活用してモデル化していけば、多くの観点で予測可能になることが多く生まれると思っています。長くZOZOのサービスを使ってくださっているユーザーも多いので、年齢を重ねて多くの経験をした後、変わっていくファッション嗜好なども浮き彫りにしていくこともできるかもしれません。ZOZOグループがAIによって新しいステージに立つことを目標に、努めていこうと思っています。

AIは将来の“必須科目”となる。


――野口さんはAIの専門家として活躍されているそうですね。

野口さん:私は以前まで、ITベンチャーの経営者として予測系AIを主に活用したサービス開発をしていました。ZOZOテクノロジーズ代表の金山との縁で、VP of AI driven business(AIのビジネス活用のVP)として、弊社に加わりました。ファッション業界は初めてのフィールドでしたが、金山が「日本一AIを活用する企業」を標榜している点に魅かれるものがあり、一緒にやっていくことにしました。

弊社では既に多くのAIを使った取り組みが進んでいます。例えば、ZOZOTOWNでAIによる類似アイテム画像検索機能のリリースをして、これまでとは違うユーザー体験を提供を開始したり、古着の買い取り・販売などを行うZOZOUSEDでは、商品の価格予測をAIで行なっています。また、Amazon Alexaスキルのような「音声ユーザーインターフェース(VUI)」を活用したコーディネート相談サービスも提供しています。

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――AIにはどのような可能性があるとお感じになっていますか? 

野口さん:個人的にはそう遠くない将来、“国算理社AI”になる。つまり、AIが他の科目と並び、学生における必須科目になるのではないかと考えています。2020年以降プログラミングの授業の必修化が開始されますが、プログラミング教育熱はいずれAI教育熱へとシフトしていく可能性が高いと思っています。大量行数のプログラミングができる人を増やすこともさることながら、すでに構築されたAIモデルをどのように“使う”かの教育の方が社会的リターンが大きくなるのではと踏んでいるからです。

AIを中心に話してきましたが、今回のテーマではそれ以外の様々なテクノロジーに関しても、視野を広げていってください。VRやAR、IoT系の通信技術などはもちろんのこと、IT以外の技術も含めて、あらゆる新テクノロジーでファッションの未来を考えていってくれればと思います。ただ、弊社がAIに注力しているだけに、何らかの形でAIにつなげて貰えたら嬉しいですね。

――10年後という期間を設定したのにも意味があるのでしょうか?

野口さん:3~5年後では今の事例の延長で物事を考えてしまいがちですが、10年後ならば大きな変化が発生しているでしょうから、より創造の自由度が高まっていくと思います。一方で20~30年後といった長いスパンですと、遠すぎて想像もしにくい未来となってしまいますので、10年というのがちょうど良いのではと考えました。

創造性と実現性を両立させて考えてほしい。


――テーマを考えていく際のアドバイスをお願いいします。

野口さん:まずは顧客視点を持つこと。自分がユーザーだったらどう感じるかを深く考えて、その状況を客観的に分析していくと、求める答えのヒントが見つかっていくかもしれません。

ファッションは若い世代にとっては身近な存在でしょう。大学生ならば平日の制服着用の縛りもなくなり、ファッションに対する興味関心がいっそう高まる時期のはずです。しかしその一方で、何を着るべきかやどう着こなせばいいのか悩むシーンも多いのではないでしょうか。そのような中で、10年後の未来に存在するAIや新テクノロジーを使って世界中で大ヒットしているファッションECサービスがあるとしたら――と考えるとワクワクした気持ちに包まれるのではないかと思います。

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――学生へのメッセージをお願いいします。

野口さん:昨年、キャリア甲子園ではZOZOテクノロジーズのチームが優勝を果たすことができました。優勝したメンバーたちはワクワクとしたファッションを提示しつつも、徹底してリサーチをして実現性も考えてくれて、自分たちなりの視点で10年後を定義していました。

彼らの成果を見ていると、縮こまった案では評価されないですし、だからといって、絶対に実現できないような案でもダメだということがわかります。キャリア甲子園・キャリアインカレで勝ち抜くには、想像性と実現性の両方を兼ね備えなくてはならないのが難しいところです。ただ、最初は大振りしてホームラン狙いで行ってください。創造性を重視して、その後の実現性を考えていくというのがうまいやり方なのではないかと思います。

少し前の時代では想像の世界だった物事が、今、次々と実現しようとしています。社会人である私たちは、どうしても実現できるところで考えてしまいがちです。それだけに若い人たちの突飛な発想には大いに期待しています。この機会を後悔のないように全力で楽しんでください。

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