普通の女子大生が、2週間でビジネスプランを考えてみた。

普通の女子大生が、2週間でビジネスプランを考えてみた。

ビジコンやビジネスプランを考える事自体初めての学生も大勢参加するキャリアインカレ
とはいえ、多くの学生にとってビジネスプランを考えることはなかなかハードルが高いもの。

そこで今回は、ビジネスのことなんて全く考えたことがないMFCの学生スタッフに、キャリアインカレの第一弾テーマ企業から好きなテーマを選択し、一人で考えてもらいました。

今回は明治大学3年生の加治木さんがJALのテーマSDGsの17の目標を元に、JALの強みを活かした革新的な取組みを立案せよに挑戦。期間はわずか二週間。
ごくごく普通の女子大生である彼女は一体どんなプレゼンをするのか?なお、考えるにあたってMFC事務局ではあえて何のアドバイスもせずに放置してみました。

undefined
約2週間、自分なりに調べたりアイデアを出したりと、初めての経験ながら頑張っていた加治木さん。えらいぞ!
 
まだテーマインタビューも公開されていない時期だったにも関わらず自分なりに調査しながら取り組んだ加治木さん。プレゼン本番の日にはMFC運営事務局社員8名の前でプレゼンを行っていただきました。

undefined
大人たちの前でプレゼンする事になった加治木さん。かわいそうに・・・。

プレゼンはキャリアインカレ公式ルールに乗っ取り、13分プレゼン+5分間の質疑応答。彼女は一体どんなプレゼンを披露したのか?彼女のプレゼンを動画で収録しているので、是非ご覧ください。またプレゼンを見た社員がどんな評価をしたのかや、彼女がどういうプロセスで進めたのかもまとめているので、最後まで必見です!

加治木さんのプレゼンの様子


動画を見た皆さんはどんな感想を持ちましたか? ここからはMFC事務局社員のフィードバックコメントと、採点結果をお知らせします(加治木さん、さらしてごめんなさい)。

MFC社員から見た「よかった点」

・全体的によくまとまっていました。また根拠とアイデアのバランスがとれていてスライドも見やすく話が理解しやすかったですね。

・課題を要素分解して、各要素に対して論を展開できていたと思います。

・全体的に非常にすっきりとまとまっていたと思います。提案の軸も、社会課題として取り組む意義のある着眼点だったと思います。また、プレゼンも起承転結で展開されており、聞きやすく好感がもてました。

・SDGsの中でもとりわけ関心の高い教育に目を向け、かつ航空業界らしさが出ていたように思います。JALも「空育」という形で教育に力を入れていますが、現状は小学生などに集中しているため、この企画が新しい一手になり得そうな印象です。

・伝えることの上手さに感心しました!

・SGDsという漠然とした事柄を自分の関心事(留学・国際交流)に引き込んで提案を考えようとしていた部分がよかったです。

・文脈の構築とスライドが非常に分かりやすかったです。納得感がありました。

・自身の経験・関心のあることから考えが広がっており面白かったです。また現状のデータからアジア以外の諸国から留学先としての伸びしろがあると分析されている点など、分析力も素晴らしいと思いました。
 

MFC社員から見た「改善した方が良い点」

・JALはこれを何目的でやるのか?年間売り上げが年間1.2億はJALがやるべきビジネスなのか?JALが何のためにこれをやるのか、というスタンスをはっきりと明確にしたほうが良いです。またまとまってはいますが、ビジコンで「勝つ」という観点で行くと勝たせる理由は見当たりません。自分がどこで勝負するのか、何で勝つのかを意識するともっとレベルアップするはずです。

・仮説の根拠が弱いです。金銭的な負担と各国からの留学生数等の相関を取る、他の要因(文化の壁など)と比較してなぜその仮説を選んだのかなどの要素が発表に盛り込まれていると、より説得力のある仮説になったと思います。

・データの持つ前提条件が把握できていないです。留学後の苦労はアジア圏の人が多いから物価が高いというアンケート回答が多いのではないかなど、根拠となる数値に対して読み込みがよりなされると、より説得力を持つと思います。

・留学生が日本に来ていない理由をさらに深堀りし、「留学生が日本で学ぶ」メリットの提供と絡めた提案ができると、利益以外でのJALが取り組むべき価値という点までの厚みが増したのかなと思います。

・日本への留学希望の市場規模が気になりました。これぐらいの規模があり、持続的な利益が見込めるなど目途があれば利益が出るなど見えるかと思います。

・一つの国を一例に上げて、JALの搭乗費用をどのくらいまで安価にするのかのイメージが与えられるといいと思いました。

・確かにあったらいいよねという企画だが、ユーザーが参加したくなるためにはもう少し工夫が必要に感じました。

・「JALだからこれをやるべき」という点がインフラ以外にあれば良かったと思います。「JALからしたら売り上げは低いけど」っていう前提で意味付けがあれば強いかなと思いました。

・渡航費、滞在費といった金銭的な理由の原因となる事柄をもう少し踏み込んで仮説を立ててみると、コンテンツとしての魅力づけ・実現可能性の具体性も高まると思いました。例えば加治木さんだったら留学先で何をどんな風に学びたいか?といった「質の高い教育」に対する定義付けもできたらよいと思います。

undefined
自分が出来るかどうかはともかく、厳しい審査とコメントをするMFC事務局社員(内心、加治木さんのプレゼンに驚いていました)

MFC審査員による採点

テーマ分析:6.1点

課題洞察力:6.1点

実現可能性:5.6点

持続可能性:5.5点

社会革新性:6点

本領発揮:5.8点

*審査員8名がキャリアインカレ審査項目につけた点数の平均点 (各項目10点満点)

加治木さんの考え方プロセス

undefined

今回、ビジネスプランを初めて考えた加治木さん。ゼミの課題などでスライドを作ったりプレゼンする機会自体は多かったようなので、ビジコンが初めてとは思えないくらい綺麗にまとまっていました。
では加治木さんがどんなプロセスで企画を考えたのか?プレゼン終了後に本人に聞いてみました。

何から始め、どういうプロセスで考え始めたか

まずはテーマの中で自分が不明だと思う点を明確にしていくことから始めました。

SDGsという単語は大学の授業で少し習っただけで浅い知識しか持っていなかったので、具体的にどのような項目があるのかを確認しました。また、それを受けて日本企業が実際にどのような取り組みを行っているのかを知るために事例を見ていきました。

また、「JALの強みを活かして」という部分についても知識が乏しかったので、JALの実際の事業計画や他社との比較から、JALならではの強みや、「JALが今後何に力を入れたいのか」を自分なりに発見しました。

以上から、SDGsで求められているものとJALがやりたいことを掛け合わせられないかと考え始めました。

 どうしてあのアイデアに行き着いたか

JALの強みについて調べ始める前に、「航空業界=グローバル」という漠然としたイメージを持っていたので、日本国内というよりも海外との交流を柱にしてJALについて調べました。

すると訪日外国人観光客の誘致というのが出てきたので、それとSDGsとを結びつけようと考えました。

インドネシアでの海外ボランティアに行っていた際、そこで出会った友人や子供たちが、「日本で勉強したいが日本はお金がかかるから行けない」と口を揃えて言っていたのを思い出し、「国際教育」に着目することにしました。その中で訪日外国人留学生の誘致を目的とした金銭的援助、特にJALができることとして航空券の割引と学生寮提供というアイデアにたどり着きました。

やってみて苦労した点

学生寮建設というのは自分で思いついた突拍子もない案だったので、コストや土地の問題などに現実味を持たせることに苦労しました。

コストと収益については、学生寮を建てるのにかかる費用は今まで考えたこともなかったので、実際に学生寮を建てた日本の大学のデータを参考にしました。しかし、フィードバックで羽田さんからコストと収益のバランスが取れていないというご指摘をいただいたので、もう少し考える余地があったと感じています。

土地については、プレゼン内でただJALグループの不動産会社のノウハウを使うとしか説明できなかったのでここはより具体化できればよかったと思います。

全体的な感想

最初は何から始めていいかわからず戸惑っていましたが、「サービスのターゲットを確定させる」→「ターゲットが抱える問題を発見する」→「それを解決する策を講じる」という大まかな流れを掴むとやりやすいのではと思いました。

しかし、その流れを作った後の裏付けが難しいところだと感じました。実際に社員さんからフィードバックをして頂くと、収益やターゲットのニーズなど、自分が見落としていた部分がたくさん見えてきました。

どうしてそのターゲットなのか、どうしてその問題なのかなど、常にどうしてそうなるのかを考え、自分のアイデアの裏付けを怠らないことが大切だと感じました。


総評(MFC責任者羽田より)

今回はビジネスモデルなんて考えたこともない学生スタッフにあえて一人でやってもらいました。
初めての割に予想以上に奇麗にまとまっていて社員一同、内心かなり驚いていました。ただフィードバックコメントでも書いてあったとおり、「ビジコンで勝つ」事を考えるとまだまだ改善の余地があります。相手に理解させるために伝達する「発表」と相手に訴えかける「プレゼン」は全く違うのです。
またアイデアとしては面白いものの「ビジネス」として考えることの難しさ。実はこれはキャリアインカレに出場する多くの学生がぶつかる壁でもあります。今回は一人でやってもらいましたが、キャリアインカレはチーム戦。チームメイトと協力しながら色んなアイデアを出して欲しいですね。

ビジネスモデルを考えること自体、多くの学生はやったことがありません。でも彼女が一人で2週間でやってみたように、頑張ればちゃんと形になります。そして自分の頭で考えていくうちに、ビジネスで大切な事や視点が身につくはずです。

キャリアインカレは時間や手間はかかりますが、それ以外のリスクやコストはかかりません。少しでも興味があれば、是非挑戦してみてください!

そして全国でキャリアインカレを体験する事ができるワークショップも開催します。まずはここから始めてみるといいかもしれません。

さて次回は、同じ学生スタッフの大野さんにワコールのテーマに挑戦してもらった様子をお届けします。お楽しみに!

undefined