【キャリア甲子園】資生堂インタビュー

【キャリア甲子園】資生堂インタビュー

日本を代表する化粧品メーカー資生堂は、今回、広く社会課題の解決をテーマに選択しました。その手段として活用すべきは、資生堂が有するあらゆる「資産」。そこには同社が持つすべてのブランドや商品、サービスが含まれています。テーマに込められた思いを担当者である田中さんに伺ってみました。

■お話をしてくれた方
田中 翔平さん
パーソナルケアマーケティング部
2017年入社。経済学部卒業。入社以来、『シーブリーズ』のマーケティングを通して、ブランド価値の向上に取り組んでいる。高校時代まではサッカーに熱中するも、趣味は高校野球観戦。毎夏、本物の甲子園に出かけて声援を送っているという。

資生堂テーマ
 

資生堂の“すべて”を題材にすることができる。


――今回のキャリア甲子園のテーマに込めた思いを教えてください。

田中さん:政治や経済で世界的にリーダーシップを発揮している有識者らが、年1回、一堂に介する「世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)」というものがあります。2019年度の同会議でSDGs(持続可能な開発目標)について活発に議論がなされたことに象徴されるように、近年、企業がグローバルにビジネス展開していく上で、社会問題への取り組み姿勢が問われるようになっています。

資生堂は現在、100年先も輝き続け世界中の人から信頼される日本発のグローバルビューティーカンパニーを目指しています。その中では継続的に利益を上げていくといった経済的な視点も大切ですが、それと同じくらいに社会価値の創出も取り組んでいくべきだと考えています。

今回、参加される高校生は、未来の社会を担っていく人たちです。みなさんが中心となって生きていくこれからの社会では、必ず社会課題の解決に取り組んでいくことになるでしょう。資生堂が取り組んでいるように、高校生のみなさんにも社会課題というテーマに挑んでもらいたいと思います。

資生堂01

――対象となるのは資生堂製品・サービスのすべてとお伺いしました。

田中さん:資生堂は例年、キャリア甲子園に参加してきましたが、従来のテーマは高校生と関わりが深いブランドである『シーブリーズ』を題材にしていました。

そこで、今回は私たちがどんな会社なのかを知ってほしいとの思いを込め、『シーブリーズ』の枠を超えて資生堂の提供する商品・サービス全般に対象を広げることにしました。資生堂の商品・サービスは多岐にわたっています。化粧品が中核事業ではありますが、一方で化粧品を活用する女性が働きやすい社会の実現に向けたサービスなども提供しており、保育園事業などは好例です。美とは何かを追求していく資生堂を、幅広く自由にとらえてほしいですね。

もうひとつ、資生堂のテーマを選んでくれたチームに総合優勝をしてほしいとの期待も込めています。決勝戦では数社の代表が横並びとなりますが、例年のように『シーブリーズ』に絞り切ってしまうと、どうしてもスケールの大きなテーマを選んだ企業に比べてインパクトが弱くなってしまう印象があります。そこで今年は資生堂の全てに対象を広げ、なおかつ社会課題の解決を目指す、その結果資生堂の代表チームが優勝してくれたらすごくうれしいなと思っています。

資産とはなにか。その定義も、参加者に任せる。


――「資産」という言い回しも特徴的ですね。

田中さん:資産と聞くと、お金や人、技術、情報、サービスなど、人によって思い浮かべる物事が異なってくるかと思います。高校生のみなさんが、どのような形で資産という言葉を捉えるか、その目や力、考え方も問いたいと思います。「これが資産」と私たちから言うつもりはありません。資産の定義もぜひみなさんにお任せします。

資生堂には様々な資産が存在しますが、その捉え方のヒントをあげると、例えば、神奈川県横浜市にあるグローバルイノベーションセンター「S/PARK(エスパーク)」を活用してみてはいかがでしょうか。グループの最先端の研究者が集っているこの拠点には、研究員がお客さまのお話を伺って化粧品を提案する「S/PARK Beauty Bar」、最先端技術を知ることができる体験型ミュージアム「S/PARK Museum」などがあります。ここで資生堂の技術という資産を深く知ることができるでしょう。

また、静岡県掛川市には資生堂企業資料館があり、1872年(明治5)創業の当社の歴史を振り返ることが可能です。ホームページ等でも細かく情報を発信しています。様々な場所やツールを活用して、資生堂を知ってほしいと思います。

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――応募上の注意点はございますか?

田中さん:社会課題というと、グローバルな問題や環境問題などの解決をイメージするかもしれません。もちろん、そうした大きな話題に着目するのもいいのですが、もう少し身近な問題から着想を得てほしいとも思います。

どんな小さな問題でも、誰かの苦悩の解決につながるのであれば、それは社会課題だと私は思います。だからこそ、身近な話題を“自分ゴト化”して捉え、「こういう世界だったらいいな」「自分はこうありたい」という理想や意志を持って頑張ってください。

社会課題を自分ゴト化して考えてほしい。


――キャリア甲子園参加者についてどんな印象をお持ちですか。

田中さん:昨年は準決勝で審査員として参加しました。自分が高校生だった頃よりも考え方や発想が柔軟で、とても感心しました。頭がいい高校生がそろっている印象を得ました。また、参加者たちは部活なども含めて、型にはまることなく本当に色々なことにチャンレジしており、まさに青春を謳歌しているとも感じました。

社会人としてアドバイスを贈るならば、今を楽しむのはもちろんのこと、ざっくりとした形でもいいので、将来の夢を描いてほしいとも思います。実は私は高校2年のとき、テレビ局で働きたいと夢見るようになり、TV局への就職に強い大学に進学し、アルバイトもテレビ局を選択しました。

結局、TVは見ている方が楽しいと気づき、自分の強みが生かせるマーケティングの仕事に就こうと資生堂に就職しましたが、高校時代に将来像を描いたからこそ、巡りあわせで今があるのだと思っています。高校生のみなさんも将来、何をしたいのかをイメージしておいてほしいですし、キャリア甲子園がそれを考えるキッカケとなれば嬉しいです。

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――最後に高校生に向けてメッセージをお願いします。

田中さん:ぜひ「社会課題」に関してチームのみなさんで議論を重ね、資生堂の資産を使った解決策が、“誰のためになるのか”をしっかりと考えていってください。その際、資産の定義をしっかり行っておくことが、成功への近道となると思います。

ある意味、漠然とした広いテーマではありますが、だからこそ自由に考える幅があるはずです。広すぎて迷いが生じたときは、「自分ゴト」として捉えてみると、解決へのきっかけが見えてくるかもしれません。

ちなみに、私がこのテーマを自分ゴト化して考えていくのであれば、社会人として第一線で働き続けてきた母の姿を思い浮かべます。母がもっと快適に働き続けていくには、どのような商品・サービスが必要なのかを最初にしっかりと浮き彫りにした上で、その後に資生堂の資産の中で何を活用すればいいのかを考えていくことになるでしょう。資産の前に自分のことから考えてみるのは、よいアプローチになるのかもしれませんね。

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