【キャリア甲子園】桃山学院大学インタビュー

【キャリア甲子園】桃山学院大学インタビュー

キャリア甲子園2019に挑戦するすべての高校生に対して、学生サポート協賛を表明した桃山学院大学。
プレエントリ―者に「優れたビジネスプランを描くために」という動画教材を提供する。
今回の協賛は、2019年4月に開設したビジネスデザイン学科はキャリア甲子園のスピリットと共通するところが大きい。
これから激変する社会に対応するだけでなく、新しい社会をつくっていく人を育てたい。そのための新しい教育を実施する。
牧野学長自らインタビューに答えてくれた桃山学院大学の本気のメッセージをお届けします。

■お話をしてくれた方
牧野 丹奈子さん
桃山学院大学学長 経営学部教授(専攻/社会ビジネス)

1984年:大阪大学工学部環境工学科卒業
1986年:同大学大学院工学研究科前期課程修了(環境工学専攻)
2004年:同大学大学院経済学研究科博士(経営学)取得
桃山学院大学経営学部助手、専任講師、助教授を経て2003 年より教授。 2016年5月より現職。

まだない価値をチームで考え出し、それをかたちにしようとする


――今回、キャリア甲子園に協賛されたのはなぜですか。

牧野学長:ビジネスをデザインする、若い人の創造力を伸ばすというキャリア甲子園のコンセプトに共感したからです。
キャリア甲子園は単なるアイデア大会ではなく、継続可能な価値提案を競う場です。これに挑戦する高校生をぜひ応援したいと思いました。 

――新設される貴学のビジネスデザイン学科とも共通点があるようですが。

牧野学長: まだない価値をチームで考え出し、それをかたちにしようとするところですね。
新しい価値を創造するのは、とても大変です。しかし、高校生にとって貴重な体験になることは間違いありません。
こうした体験を繰り返した人は、社会がどう変わっても、組織に頼らず自分の力で生きていけます。
現在、偏差値重視の教育から脱却しなければならないと誰もがわかっていても、どう教育していいかわからず立ち止まっています。
キャリア甲子園は、それに応える大きな仕組みだと思います。

――貴学が大切にしている教育理念をお聞かせください。

牧野学長:桃山学院大学の教育理念は、「キリスト教精神に基づく人格の陶冶と世界の市民として広く国際的に活躍し得る人材の養成」です。
このような理念のもとで、「地域で、世界で、人を支える」という教育ビジョンを掲げてい
ます。 

桃山学院大学1

激変する今後の社会で活躍するためには


――社会はこれからどのように変化するとお考えですか。

牧野学長:AI・ロボットによって20年後には今の人間の仕事の半分がなくなるといわれています。また、IoTや3Dプリンターの登場で、製造業のあり方も変わっています。
さらに資本主義経済の考え方を揺るがすシェアリングエコノミー(※1)も浸透してきました。おそらくこの20年ほどで、私たち大人が想像もできないほど、社会は変化するでしょう。 

――そんな社会の中で今後、活躍できるのはどのような人材でしょうか。

牧野学長:インターネットなどを通して、あらゆる知識や情報を手に入れることができる時代になりました。単なる物知りだけでは、もはや価値がないのです。
今後、活躍するのは、このような知識や情報を関連付けながら、社会のさまざまな課題を解決できる人だと思います。
それもマイナスをゼロにもっていくだけでなく、さらにプラスを生み出せる人だと思います。 

桃山学院大学2

――そのような人材になるために、何を身につけるべきですか。

牧野学長:新しい社会で活躍する人材を育成するために、本学では学力に加えて、次の3つの力をディプロマ・ポリシー(※2)としています。
1つ目が何もないところから新しいものを作り出す「創造力」、2つ目が多様な人と共感をつくりだす「共感力」、そして3つ目が現実の中で責任をもって決めてやる「実践力」です。 

――この3つの力を兼ね備えた人材を、貴学から輩出していくお考えでしょうか。

牧野学長:そうです。社会が大きく変わる今、大学の学びも変わるべきです。そこで本学では、新しい社会で活躍する人材を養成すべく、 2019年4月にビジネスデザイン学科を創設しました。
ビジネスとは「社会に価値を生み続ける活動」。デザインとは「チームでコミュニケーションをしながら新しい仕組みをつくる」ことを意味します。
つまりビジネスデザインとは、「チームで新しいビジネスの仕組みを創ること」です。これはAI・ロボットにはできない、人間にしかできないことだと思います。 

本気の改革。新設されたビジネスデザイン学科


――ビジネスデザイン学科の特徴を教えてください

牧野学長:ビジネスデザイン学科では、先ほどお話した3つの力を身につけるため、特徴ある科目を設けています。PBL(※3)という問題解決型学習を導入した実践演習では、連携企業の企業人に参加していただきます。
企業人と学生がチームになり、協力し合って問題を解くグループワークを授業で行います。クリエイティブ力を身につけるには、実際にクリエイトするしかない。それを実現するのが実践教育の重要なポイントだと考え、このような科目を設けました。
また、クリエイトするには、柔軟な思考が必要です。そのヒントは文化にあると考え、将棋・囲碁、イラスト・絵画、華道・茶道など一見、ビジネスとは関係がないと思われそうな科目も取り入れていきます。

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オフィスのような教室で学ぶ大阪市内新キャンパス(画像はイメージです)

――実にユニークですね。あと2つの力は、どのように養成されるのですか。

牧野学長:PBLは仲間と一緒に取り組むので、チーム内のコミュニケーション力が身につきます。また、実際に街に出て行うフィールドワーク等の授業で、多様な人とのふれあいを通してコミュニケーション力を養っていきます。そして、科目数をあえて絞り、 ほとんどの科目を必修にすることで「やり抜く力」をつくります。

――必修科目にすると、なぜ「やり抜く力」がつくのですか。

牧野学長:必修にすると、学生も「この科目は落とせない」となり、教員側も覚悟を持って授業を行います。教員と学生の真剣勝負で、「やり抜く力」を身につけます。一日の終わりには、教員と学生で、その日の授業でわからなかったことの確認や、授業内容・教え方の意見交換といったフィードバックをします。一日の授業を終え、学生が「わかった」と達成感を味わえる時間割を組んでいます。

――3つの力以外に身につく能力はありますか。

牧野学長:3つの力はバラバラになっては意味がありません。その3つの力を駆使して、本学科ではチームで価値を生み出す「リーダーシップ教育」を行います。
リーダーシップというと、かつては社長や部長など特定の人だけに必要な能力だとされてきました。しかし、世界標準の新しいリーダーシップは、権限やカリスマ性とは関係なく、誰もが目標を決めて仲間を巻き込み、支援しながら行動していくことを意味します。PBLでは、企業人から直にリーダーシップを学びます。リーダーシップ教育の第一人者が考案した PBLを学科単位で行うのは、関西の大学では本学が初めてとなります。

――それでは最後に、キャリア甲子園に参加する生徒たちに期待したいことをお聞かせください。

牧野学長:昔は「ヒト、モノ、カネ」をたくさん所有していないと、ビジネスをつくり出せませんでした。しかし、今は違います。IT等の技術革新が進んだため、ビジネスをつくりやすい時代となりました。まず大事なのは本人の意志です。それを念頭に置いていただきたいです。
自分の中にあるモヤモヤしたものや普段感じていることを口に出して、友達とかたちにするのがビジネスの第一歩です。生活の中のいろいろな場面で感じたことを大切にする。それがビジネスをつくる力になります。
社会が変わる、だからこのような力が大事だと私は言いました。しかし、どんな社会になるかはわかりません。その社会をつくるのは、みなさんのような高校生や若い力をもった方々です。「これからの社会は、自分たちがつくるのだ」という意識を持ってもらいたい。今の高校生は、社会に対する意識も高く、社会起業家に関心を持っている人も少なくないと聞いています。そんな高校生の方々が将来どんなビジネスをつくるのか、とても期待しています。

桃山学院大学4
(※1)遊んでいる資産(物、サービス、場所など)を、ソーシャルメディアを活用して貸し借り・売買・交換する経済活動。代表的なものとして、カーシェアリングや民泊などがある。
(※2)卒業認定・学位授与の方針。
(※3)Project based Learning 問題解決型学習。